* 空と月 *

本好きのたわごと。

歴史上の人物について考えてみた

例の夢を見て以来、なんとなく気になっていた「劉封」という人物が登場する『三国志』にまつわる本を、数冊読んでみました。

しかし、劉封という人についての情報はあまりなく、「諸葛孔明」のほうが気になり出し。

 

歴史音痴な私でも、名前には聞き覚えがあるくらいなので、書籍も多く、ネットで検索しても、色々出てきました。

 

が、この方なにせ約1800年も前の人物。

「古代」と呼ばれる時代に生きていた人のことが、ありのまま正確に現代に伝わっているとも思えず。

しかも日本人でもない。

歴史は勝者のものともいうし、どの記述が事実で、何がフィクションなのか、判断のしようがなく。

歴史って、本人の書いたものでもない限り、他人を介して語られているものですよね。

現代でも、人のことって正しくは伝わらないものなのに、1800年前って。

歴史上の人物に興味を持つと必ず陥るジレンマです。

今自分が知ることのできるその人は、本当の姿とはかけ離れている可能性もある。

そこに自分の想像力を掛け合わせて、つまり妄想でしかないんだなあという。


ですが、たとえそれぞれの資料にまったく異なった人格として描かれていても、「そこに共通していてふわりと浮かび上がってくる真実めいたもの」というのがあったりして、いえ、それさえも、自分の思い込みに過ぎないのかな。

なぜこんなことを思うかというと、この人物、書籍によってイメージが全然違うので。

超人的なスターだったり、高慢な人物だったり、真面目で実直だったり、どれがホント⁈って混乱するのです。

 

そんなわけで、一応私が勝手に想像した諸葛孔明像は、真面目で聡明だけど不器用で、なんとなく、感情を外に出すより静かに内に秘めているような人物、かな。

単に、超人的スターみたいに描かれているものより、そういう人間味のある描かれ方をしているもののほうが好みだったというだけです。

若い頃は、弟?妹?のために、そして長じてからは、民のために、主人のために、国のために。それはもう切なくなるほどに、自分以外の誰か、何かのために尽くし生きている。

これほど歴史に名を刻むような高い地位の人物でありながら、亡くなったとき、私財は僅かで、墓も質素だったというエピソードにはキュンとして泣きそうになってしまった。

生い立ちがそうさせたのか、この人の生まれ持った資質だったのでしょうか?

 

この人物についての書籍を読んでいると、共感してしまうのか何なのか、なぜかすごく、哀しいような?切ないような?感情が湧いてきて、本当に涙がでてきたりすることがあります。よく知りもしないのに。

そういうことは、歴史上の人物では初めてなのですが、何かこの人物に、私の心の琴線に触れるものがあるらしい。

 

ちなみに、架空の人物でも同じような感覚になったことがあります。2007年頃の韓国映画『王の男』に登場する「コンギル」という女形芸人さん。

この映画を見て後、しばらく、この人物のことを考えるたびに切なくなって涙が出てくる日々が続きました。

その時と同じような感じ。

そういうことって、誰でも経験あるものなのかな?

 

身近な人に聞いてみたいけど、ドン引きされたら嫌なので、話したことはありません☆