* 空と月 *

本好きのたわごと。

頼もしい相棒

ここのところ、何かに追い立てられるような、落ち着かない気分になることが、多くなった気がします。

平凡な日常の、ひとコマひとコマを、大事に丁寧に生きられたらそれでいい。頭ではそんな風に思っているのに、なぜか気持ちがついてこない。

 

↓ちょうどこんなような?

 

兄さんは書物を読んでも 、理窟を考えても 、飯を食っても 、散歩をしても 、二六時中何をしても 、そこに安住する事ができないのだそうです 。何をしても 、こんな事をしてはいられないという気分に追いかけられるのだそうです 。 「自分のしている事が 、自分の目的になっていないほど苦しい事はない 」と兄さんは云います 。 「目的でなくっても方便になれば好いじゃないか 」と私が云います 。 「それは結構である 。ある目的があればこそ 、方便が定められるのだから 」と兄さんが答えます 。兄さんの苦しむのは 、兄さんが何をどうしても 、それが目的にならないばかりでなく 、方便にもならないと思うからです 。

(夏目漱石『行人』より。)

 

自分などは、立派な「目的」なんてなくても毎日を大切にできればそれで充分。なはずなのになあ。

何をしていても、何かが違う気がする。

何をしていても、落ち着かない。

何をしていても、どこかしら虚しいような?

原因不明の焦りばかり先に立って、集中できず。

そんな状態が、いつもではないけれど、不定期に、頻繁にあらわれます。

そういうときは、好きな読書ですらままならない。

困ったもんだ。

 

そんなときは、我が相棒(犬)とお散歩へ。

脇目も振らず、ひたすら前へ前へと突き進む姿が、いつになく頼もしい…。

迷いのない歩みがうらやましいよ。

今日は、行きたいところへ、ついていきますどこまでも。