星と生命 -『伝書』より
書店にて、ひときわ目立つ、緋色の表紙が目に止まり、思わず手にとってページをめくると、最初のページに、心揺さぶられる美しい文章がありました。
ある夜、星を見ていた。
その時、漆黒の夜空に光を穿ち、瑞々しく瞬く星が、私の魂に直結していることを感じた。
私たちは、光を宿す宇宙の星屑である。
その小さな一片一片(ひとひらひとひら)が、地上に降り、人間や草や花、小鳥や虫たち、石など、すべての生類としての生命を与えられ、それぞれ、愛しい生命をはぐくんでゆくのである。
(略)
やがて、この世の務めを果たしたものは、ひとすじの道を天馳けって、光の都へ遷ってゆく。
この美しいことばを持ち帰りたくてたまらなくて、この本を購入しました。
地上のすべての生命が、星と一対なのだとしたら。
光の都へ遷って、そして、それから…?
またいつか、新たな命として、この地上に戻ってくるのでしょうか。
同じ星に見守られながら。
私の星は、どの星だろう。
亡くなった大切な人の星は?
そんなふうに、思いを馳せてみるのも素敵です。
よく大人が幼い子に語る、
「おじいちゃんは、お星さまになって、おそらのうえからみんなを見守っているんだよ。」
などという言葉は、もしかしたら真実なのかもしれません。